なんとなく読み返してみる。
収録されているのは、以下の通り。
内田百けん「ゆうべの雲」
石川淳「アルプスの少女」
稲垣足穂「澄江堂河童談義」
小川信夫「馬」
安部公房「棒」
藤枝静男「一家団欒」
半村良「箪笥」
筒井康隆「遠い座敷」
澁澤龍彦「ダイダロス」
高橋源一郎「連続テレビ小説ドラえもん」
笙野頼子「虚空人魚」
吉田知子「お供え」
読んだことが無かったのは、小川信夫と吉田知子だけという、自分好みのアンソロジーだったのだ。
巻末にはこのシリーズの他の巻の目次が載っているのだが、食指が動かない。
ということは、この巻だけは魅力的に見えたのだろう。
どうしても、こういったアンソロジーは、誰の作品が収録されているのか、ということは重要なポイントだろうと思う。
敢えて、読んだことの無い作家ばかりのアンソロジーを選ぶということも可能だろうが、それは一か八かの賭けだろうと思う。
さて、このアンソロジーは「表現の冒険」というのがテーマだ。
いささか気恥ずかしいこのキャッチフレーズと、収録された作品とのギャップはどう考えればよいのか。
編集の失敗なのか、戦略的な捨て石なのか。
そう思うと、タイトルに騙されてはいけない、アンソロジーは収録されている作家の顔ぶれを見て選ぶのが順当な気がしてくる。
- 作者: 講談社文芸文庫
- 出版社/メーカー: 講談社
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