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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ムーミン谷の彗星/トーベ・ヤンソン

この本もまた図書館で借りた。
かすかな記憶なのだが、日曜夜7:30からのカルピス名作劇場で見たのだと思う。
だが、子供の頃はあまりTVを観ていなかったので、本当にリアルタイムで観たのか、再放送や懐かしのアニメ特集で観たのか、いささか不確かなのは否めない。
そして、それほど面白かったのかどうかも判らない。
ともあれ、ムーミンでも読んでみようかという気になったので、借りてみることにした。
この本は、ムーミン谷に巨大彗星が衝突する、という話が本当なのかどうかを確かめるための冒険と、冒険とは言い難いどたばたの物語だろう。
ネタばれするようなことは書かないでおこうと思うのだが、この本ではこのシリーズの主要なキャラクターたちがはじめて登場する。
彗星がぶつかって地球が破滅するなんて、映画のアルマゲドン(こちらは隕石だが)じゃあるまいし、と思って読んでいくうちに引き込まれてしまう。
とても奇妙な感じがするのだ。
主人公が得体の知れない生き物だから、ということだけでなく、カタストロフに向かって行く世界が、妙にのんびりとした、間延びした世界なのだ。
あと5日で世界が終わる、となったら、ムーミンたちのように過ごせるだろうか。
よく知られた都市伝説で、ムーミンたちは全面核戦争後の世界に生きているのだ、というのがあるが、この奇妙さから、さもありなんと思えてしまう。
切迫さもなく、かといって日常は徐々に崩されていく世界。
ある種のSFとして読むなら、アナザーワールド系のバリエーションのひとつだろうか。
何だか面白いんだか面白くないんだかよく判らない。


新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)