ビアズレイと言えば、19世紀末のデカダンスなモノクロのイラストだろう。
サロメ、アーサー王の挿絵は良く知られているだろう。
この本は、ビアズレイが書いた小説である。
タンホイザーがウェヌスの館を訪問し、豪華な宴と、放埓な情事を繰り出す小説である。
読み返してみて思うのは、当時、これを面白いと思って買ったのだろうか、という疑問だ。
装飾的な、レトリックだらけの文章は、どちらかと言うと読みにくい。
まるで、形容詞の練習だ。(訳者は澁澤龍彦)
物語を堪能するというよりは、挿絵が豊富なので、それを眺めるのがこの本の楽しみ方かもしれない。
- 作者: オーブリ・ビアズレー,澁澤龍彦
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1993/01
- メディア: 文庫
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