芸術が爆発ならその余韻は今も響いているのか
今日の芸術―時代を創造するものは誰か (光文社知恵の森文庫)
- 作者: 岡本太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1999/03
- メディア: 文庫
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子供の頃にmaxellのCMで、岡本太郎がピアノを弾いて、「芸術は爆発だ」と言っていたように記憶している。
原色を多用した抽象画のような作品は、岡本太郎そのものであり、他の誰とも似ていない。
この本では、芸術と芸ごとの違い、芸術の価値とは何か、といったことを平明な言葉で説いている。
もし、高校生の頃に読んでいたら、アーティストを目指していたかもしれない。
太陽の塔は一度はこの目で見ていたい。
だけど、東京から遠いので、数寄屋橋の時計台をとりあえず見てみよう。
主義ではない、芸術の初期衝動みたいなもの、それが岡本太郎の言いたかった事のような気がする。
だけどそれだけではウソになってしまう、というか虚実ともつかないありようが現代美術の進んでしまった方向だと思う。
忘れ去られていた沖縄の再発見や、縄文文化への視線、土着への視線、岡本太郎の先鋭化する意識と現代美術の流れは乖離している。
そういった意味で、岡本太郎の余韻は日常に溶け込んで行き、現代美術はそれを忘れて行ったのだと思う。