眠りに入るのが墜落ならば、目覚めとは何だろう
- 作者: ジョイス・マンスール,有田忠郎
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1984/10
- メディア: 単行本
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「充ち足りた死者たち」が物語だとするなら、このマンスールの小説?は詩であろう。
この本に収められた「ジュール・セザール」は双子と少女と女中の物語であるが、物語的なものは無いような気がする。
内容を裏切るレトリックの連なりと悪意に満ちている。
もうひとつの「浮き島」は引用と語呂合わせとエロティシズムと病院が混ざり合う。
前に読んでいたはずなのだが、このような小説だったとは覚えていなかった。
物語としてのモチーフはシンプルなのだが、レトリックに眼が眩む。
残念ながら日本語で読めるマンスールは、これら2冊だけしかないようだ。