何となく星野源のエッセイを手に取る。
同時代の随筆というものは、出来事や意見が身近であるが故に、あまり手に取ろうと思わなくなった。
以前は評論やらも読んでいたはずなのに、いつからか煩わしく、空虚に思うようになってしまった。
それは作品のせいではなく、自分の変化なんじゃないか、と思っている。
それでも、星野源のエッセイを手に取ろうと思ったのは、「いのちの車窓から」が思いのほか良かったからだと思う。
それはどの辺りかと自分に問いかけてみると、真面目にふざけようとしている文章という感じが、好ましいと思っている。
10代の頃に定期購読していた「ビックリハウス」から始まり、糸井重里、橋本治、寺山修司といった辺りと近いのではないだろうか。
そう思ったという感想なので、世間的には違う評価かもしれない。
この本は恐らく女性層が多いと思われる雑誌での連載が下敷きになっているようだが、下ネタが多く登場する。
それがどうという事を言いたいのではなく、エッセイとして読者に媚びていないというか、自身のスタンスを貫いているような気がした。
そういうのも好ましいと思っている点かもしれない。
そしてくも膜下出血で倒れ、手術、復帰するまで辺りのエッセイは凄まじいものがある。
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