雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

日本魔界案内/小松和彦

久しぶりに引っ張り出して読み返してみた。

民俗学の入口は小松和彦だった。

10代の頃に、鬼や異人、呪いに関する書籍を読んだと記憶している。

この本は、2002年に出版された日本各地の異界と繋がるような場所のガイドブックである。

当時、「パワースポット」という言い方が無かったと思うので、「魔界」という言い方をしている。

紹介される場所は、怨念や祟りを鎮めるための神社が中心になる。

神社の云われから、表の、いわゆる、官製の歴史観では見え無いものを紹介していこうとしているのだけれど、そのあまり、ちょっとトンデモ歴史観に近づいてしまっているような気がした。

修験道者、木地師といった職業の人たちの隠されたネットワーク的な存在を前提に、語ってしまっているようにも見える部分がちょっと気になった。

学術的な研究書ではなく、ガイドブックだと思えば気にならない、というものではあるけれど、真に受けて闇の歴史が、などと言い出したくなるようなネタではある。

ともあれ、もう一度、熊野の地を訪れたり、津軽の十三湊に行ってみたいと思った。