雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

戊辰物語


江戸が東京になったころはまだ余裕があったのだろうか

戊辰物語 (岩波文庫 青 431-1)

戊辰物語 (岩波文庫 青 431-1)


140年近く前に江戸から東京になった。京都、大阪では暗殺が横行しても、江戸の町民はのんびりしていたらしい。上野の山で戦争があっても、見物に出かけるとか、何かゆったりとしているのだ。将軍が追い出され、薩長が担いできた天子が、東京の真ん中に鎮座しても、江戸っ子は何も気にしていないようだ。正義を掲げたり、闘争したり、政治的に権力を握ったり、結局のところ、明治維新は東京を舞台にした地方出身者の権力闘争だったのであり、江戸っ子は傍迷惑な出来事だったのではないか、とそんな気もしてくる。