雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

闇の都市、血と交換―経済人類学講義/栗本慎一郎、笠井潔


何か足りないとしたら語り口


栗本慎一郎笠井潔という組み合わせで、経済人類学やら都市論を語るという企画自体に、バブルの頃の現代思想ブームの匂いは拭えないだろう。
レクチャーブックス、と銘打たれたこのシリーズは確か30冊ぐらいはあったような気がしている。
経済人類学がどうとか、光と影の重層的な差異として都市を捉えることとか、そういった内容に異論はないが、この語り口はなんだろうか?
正直なところ、何度か読むのを止めようかと思った。
内容は十分示唆に富んでいるし、20世紀末のこの本が21世紀の今において、何か足りないとしたら、語り口のような気がする。