何か足りないとしたら語り口
闇の都市、血と交換―経済人類学講義 (Lecture books)
- 作者: 栗本慎一郎,笠井潔
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 1985/04
- メディア: 単行本
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栗本慎一郎と笠井潔という組み合わせで、経済人類学やら都市論を語るという企画自体に、バブルの頃の現代思想ブームの匂いは拭えないだろう。
レクチャーブックス、と銘打たれたこのシリーズは確か30冊ぐらいはあったような気がしている。
経済人類学がどうとか、光と影の重層的な差異として都市を捉えることとか、そういった内容に異論はないが、この語り口はなんだろうか?
正直なところ、何度か読むのを止めようかと思った。
内容は十分示唆に富んでいるし、20世紀末のこの本が21世紀の今において、何か足りないとしたら、語り口のような気がする。