この本もまた、図書館で借りたのだが、昔読んだことがあるような気がする。
しかし手元には無い。
それはともかく、近代的なるものの代表的な科学的な知への批判としての、新しい知の示唆をしている。
例えば、それはマイケル・ポランニーの暗黙知だったり、あるいは西田幾多郎の再評価だったり、あるいは、情念論、演劇、身体性、そして医療現場におけるホームドクターという考えなど、様々なキーワードが散りばめられている。
だがこれを読んだからといって、何かが解る様になるのではない。
まるでカタログを眺めるように、様々な知のあり様を知ったところで、科学的なるものは身体を貫き、眼前の景色にフィルターをかけ、それは決して疑うことの出来ないセントラル・ドグマかのように存在している。
そもそも、新書を読んで何かを解ったような気になるのが間違いなのだろう。
- 作者: 中村雄二郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1992/01/21
- メディア: 新書
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