雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ラッセル幸福論/バートランド・ラッセル

ラッセルを知ったのは、高校の英語の副読本。
他にも、ディケンズの「デビッド・コパフィールド」や、ホワイトヘッドなんかを教材に使ってたのは、大学になってから改めて驚いた。
教材は良くても、語学力はちっとも身に付かなかった。
バートランド・ラッセルはイギリスの思想家にして社会活動家。
その実よく知らないのだが、自分からは好んで手にとるタイプの本ではないようだ。
だが、たまには違う分野に手を伸ばしてみることにした。
この本は、タイトルの通り、幸福とは何かを考察している。
二部構成となっており、前半は不幸の原因、後半は幸福をもたらすもの、を考察している。
読み通してみて考えたのは、すごくまっとうな正論であること。
どれも、それはそうですね、としか言いようが無い話だと思った。
細部には、ちょっと変な部分もあるのだが、否定するような内容でもない。
だからといって、その通りにできるのか、それは万人に適用できるのか、といったところに疑問が残ってしまうあたりも、まさに正論らしいと言える。
だが、そういった意見は最近聞かないので、ちょっと新鮮に思った。
結論として、「自分は宇宙の市民と感じ」て、自分の内部と外部と両方の統一感を持つことで、幸福を味わえるのだそうだ。
おいおい、「宇宙の市民」って何だ?
西欧の市民思想の文脈で受け止めるべきなのだろうが、ここまでくると、何か突き抜けてしまった感じがしないでもない。


ラッセル幸福論 (岩波文庫)

ラッセル幸福論 (岩波文庫)