この本もまた図書館で借りた。
自分が14歳だった頃に、この本があったとしたら、手に取って読んだかというとそうは思わない。
池田晶子という名前は、どこかで聞いたことはあった様な気がするが、読んだのは初めてだ。
この本は平易な言葉で書かれてはいるが、その考えは奥深いように思う。
14歳の自分だったら、きっと反発していただろう。
自分が何者であるかも分からないくせに、まるで何様かであるかのように、耳を貸さなかっただろうと思う。
誰もがそうだとは思わないが、この本を手に取って読む14歳の少年少女の顔が見えない。
もし、親や先生に薦められて読むのであれば、あまり意味がないように思う。
とは言え、どうするかは14歳の誰かが考えれば良いことなので、そんなことを書き連ねてもしょうがない。
さて、ひとつ気になったのは、考え方自体がソクラテス的な「囚われの自分」というか、デカルト的な「コギト」的な世界というか、自己同一性を疑わない点から出発し逸脱しないところだ。
もちろん、わざと逸脱する必要も無いのだが、疑いようのない自分を前提にするのは、ちょっと違和感を覚える。
これは論理的な反論ではなく、感覚的な違和感なのであり、だからどうだというものでもない。
それも含めて、きっと14歳の自分は読まないだろうと思った。
だが、14歳ではない自分はこうして読んでいるのだから、これは読むに値する本なのだと思う。
- 作者: 池田晶子
- 出版社/メーカー: トランスビュー
- 発売日: 2003/03/20
- メディア: 単行本
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