この本のタイトルが好きだ。
自分としてはむしろ、書を携えて、町へ出よう、なのであるが、あえてさかしまなことを言われると気になる。
この本は、寺山修司のアジテーションであり、お涙頂戴的なエッセイだ。
いまさらどれも真に受けるようなものではないことは判り切っているのに、何故か読みたくなる。
たぶん、いかがわしさの虚構、或いは演出であるが故なのだ。
嘘っぽい裏町人生を演出し、斜に構えた言いっぷりが、癖になるという感じだろうか。
それが好きでもないし、鼻につくのだけれど、たまに読みたくなる。
もう処分してしまおうかと思う時もあるのだけれど、やっぱり捨てられずに持っている。
- 作者: 寺山修司
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