久しぶりに、ラフカディオ・ハーンを読む。
この本はハーンの日本賛美の本である。
そうでない読み方ができないぐらい、日本を持ち上げているので、読んでいる方が気恥ずかしくなるくらいだ。
それにしても、いつから日本賛美のTVが、こんなに溢れているのだろう。
ちょっと前には、自虐的な日本再発見番組があったことが関係しているのだろうか。
日本というラベルを自分というラベルと重ね合わせ、承認要求とナルシズム、自信の無さの裏返し、誰かに認めてほしいと願っているのは、誰なのか、そして何故なんだろうか。
日本人がする日本賛美の言説にかすかに漂う気持ちの悪さは、錯覚ではないと思っている。
何かを隠して、何かから目をそらすような素振りが、そこにはあるような気がする。
だが、ラフカディオ・ハーンは、日本に何を見ていたのだろうか。
そこにあるのは、日本の幻に過ぎないのではないだろうか。
- 作者: ラフカディオ・ハーン,Lafcadio Hearn,池田雅之
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2000/09/18
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 35回
- この商品を含むブログ (22件) を見る