何となく借りてみた。
先日のガザニガの本を紹介していた精神科医の方だと思う。
中年にもなって久しいと、「うつ病」はちょっと身近に感じる。
大したこともやっていないが会社員生活の中で、メンタルに問題があって辞めてった人は何人もいるし、辞めないまでも社内でハラスメントを繰り返しているらしい人の噂も聞く。
今にして思えば、あれはうつ病だったのかな、と思う人もいるが、本当にうつ病だったのかは知らない。
会社という組織の中では、色んなことが起きていても、様々なフィルタを通して情報が伝わる。
もしかして、過去にうつ病の方が近くにいたのに、手を差し伸べられなかったかもしれない、メンタルの問題があって辞めてった人から業務を引き継ぐ時に、間違った対応をしていたかもしれない、そしてそれは明日にでも自分にも起こりうるかもしれない、そんなことも考える。
歳を重ねることでの恐ろしさの一つだと思う。
この本は20のケーススタディに対して、著者のコメントが加えられてうつ病とは何か、擬態うつ病と名付ける状態、そして社会や医療の抱える問題が説明されていく。
基本は論理的かつ平易に、しかし時に情緒的な言葉も飛び出す辺りが、著者らしい味なのかと思う。
病気をアピールするやつほど健康だという感覚は、ほぼ正しい。
しかし、うつ病を擬態することで、逃避し甘える人は、本人なのか周りなのかわからないが、何らかの問題が存在している、というのもありそうなことだ。
もし、自分がうつ病かもと思っている人は、この本は読まないほうが良いかもしれない。
擬態うつ病であることが分かって、せっかく見つけた言い訳を、否定されてしまうかもしれない。
とはいえ、そういった悩みを抱えた方が、このブログを見てるとは思えないので、そんな意見は大きなお世話というものだ。
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