雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

幽界森娘異聞/笙野頼子

久しぶりに、笙野頼子を読む。

いつ買ったのか覚えていないが、酔っぱらったときに買ったのではないはず。(確証はない)

この本は、ストーリーはほぼ無い。

森茉莉雑司ヶ谷から佐倉への引っ越しと猫たちについての、独白だと言い切ってみようか。

一人称の視点しかなく、主人公と作者はイコールのような気がしてしまうが、雑司ヶ谷での猫騒動や佐倉での近隣との関わりとか、何となく事実のような錯覚に陥ってしまう。

けれど、それが事実であろうと無かろうと、森茉莉にも、家ネコにまつわる問題にも興味が無いので、これは笙野頼子の言い回しを楽しむ小説なのかもしれない。

それを楽しめるかどうか、なかなか読む人を選ぶ小説かもしれない。