アナーキーな江戸趣味
- 作者: 石川淳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/06
- メディア: 文庫
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久しぶりに石川淳を読んでみた。思えば高校生の頃に出会って、読み進むうちにその語り口、アナーキーさ、笑いにはまっていった。やがてそれは、江戸とフランスを下敷きにしたものであることを知った。
この本でもそうだが、博識をそのまま出すのではなく、ひとひねりもふたひねりもして、偽の歴史や世界を作り上げたりする。
まったく異なるジャンルだが、スタニスワフ・レムやホルヘ・ルイス・ボルヘスにも通じながら、永井荷風にも通じるような江戸趣味や、坂口安吾にも通じるアナーキーさが石川淳にはあるのだと思う。