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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

真贋/吉本隆明

語り

古本屋で見つけた。
晩年の吉本隆明氏へのインタビューを基にまとめた本である。
思えば、吉本氏の新たな本を読むのも久しぶりだ。
およそ1990年代後半以降、吉本氏の本から意識的に遠ざかっていた。
それは、その思想の如何に関わらず、一人の思想家の言葉だけを聞いていることが、危うい気がしていたからだと思う。
その後、「老いの超え方」という本で、「老い」についてあれこれ考察しているのを読み、その視線の鋭さ、問題意識の先鋭さに感服したのだった。
どうやらこの本も、同時期のインタビューのようだ。
最初は何だかつまらない本だという気がした。
それまでの著作の中で触れていたり、改めて吉本氏が話す内容なのだろうか、と思った。
老人の繰り言のように、何とも言えないもどかしさのようなものがあった。
それでも読み進むうちに、次第に引き込まれてしまう。
そして一日で読み終えてしまった。
どうやらこれは、吉本氏の語りに引き込まれているのだろう。
簡潔に言い切る、というのが、基本的なトーンだ。
そうしてさまざまな問題に白黒つけていく。
扱う課題やその考えがどうかという以前に、その吉本氏の語り口に引き込まれている。


真贋 (講談社文庫)

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