かわす
デュシャンがシュルレアリストかどうかは異論があるだろうし、自分自身でもそれはどうだろうかと思う。
だが、ブルトンの「シュルレアリスム宣言」に、デュシャンは登場するのだから、シュルレアリストということにしておく。
デュシャンの作品はタブローを飛び出し、眼で見るものでは無くなり、アーティストという特権を解体している、というのが、このインタビューを通じて判る。
インタビュアはデュシャンの神話化を試みているかのようだ。
だが、そんな話題を軽やかにかわし、話したいことだけを話しているように見える。
駆け引きというよりはゲームに近い感じだ。
しかしながら、デュシャンの提示したものは、その後の現代アートが詰まっている。
デュシャンが自ら解説をしている点と、コンパクトである点でこの本は価値があるように思うのだ。