昨年末に読んだ四方田犬彦のブックガイドで薦められていた一冊なので、図書館で借りてみた。
哲人皇帝として知られる人物とのことだが、あまり人物自体に興味は無い。
むしろ、その数代後に登場するカラカラ、ゲタ、ヘリオガバルスといった、暗殺や謀略にまみれた皇帝達のほうが聞き覚えがある。(もっとも、アントナン・アルトーや澁澤龍彦の著作によるものだが)
さて、この本はマルクス・アウレーリウスが、晩年に自らに向けて書いたものらしい。
当たり前なのだが、なるほどと思うものもあれば、そうでもないものもある。
自然のままに生きろというのが基調にあるのだが、そこに善や神を持ち出してこられると違和感が生まれてしまう。
それはつまり、ニーチェ以降の「神は死んだ」世界に生きているからなのだろう、というのが端的な感想だ。
あるいは、まだ読むには若すぎたのだろうか。
いつかまた読み返すかもしれないが、それがいつなのかは予想もつかない。
- 作者: マルクスアウレーリウス,神谷美恵子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫
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- 作者: M.アウレリウス,鈴木照雄
- 出版社/メーカー: 講談社
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