雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

自省録/マルクス・アウレーリウス・アントニヌス

昨年末に読んだ四方田犬彦のブックガイドで薦められていた一冊なので、図書館で借りてみた。
哲人皇帝として知られる人物とのことだが、あまり人物自体に興味は無い。
むしろ、その数代後に登場するカラカラ、ゲタ、ヘリオガバルスといった、暗殺や謀略にまみれた皇帝達のほうが聞き覚えがある。(もっとも、アントナン・アルトー澁澤龍彦の著作によるものだが)
さて、この本はマルクス・アウレーリウスが、晩年に自らに向けて書いたものらしい。
当たり前なのだが、なるほどと思うものもあれば、そうでもないものもある。
自然のままに生きろというのが基調にあるのだが、そこに善や神を持ち出してこられると違和感が生まれてしまう。
それはつまり、ニーチェ以降の「神は死んだ」世界に生きているからなのだろう、というのが端的な感想だ。
あるいは、まだ読むには若すぎたのだろうか。
いつかまた読み返すかもしれないが、それがいつなのかは予想もつかない。


自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

読んだのは岩波文庫版。


マルクス・アウレリウス「自省録」 (講談社学術文庫)

マルクス・アウレリウス「自省録」 (講談社学術文庫)

講談社学術文庫版もあるようだ。