雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

55歳からのハローライフ/村上龍

久しぶりに村上龍氏の小説を手に取った。

そして、「ハローワーク」と読み違えていたことに気づいた。

60歳前後の主人公たちの物語である。

まぁ、若い頃は読まなかったろうな、と思ったが、自分が若い頃は作者も若いので、このような作品は書かなかったろうな、という意味のない感想だ。

村上龍氏の小説は、プロットが上手いのだと思う。

主人公の設定、登場人物たちの配置、ストーリー運び、小説家なので当たり前なのだろうけれど、その上手さが際立っているように思えた。

数十ページの中篇という長さも、あるのかもしれない。

老いという避け得ないものを前に、それでも希望のようなものを残す物語だと思った。