挑発する批評
- 作者: 吉本隆明
- 出版社/メーカー: 福武書店
- 発売日: 1988/05
- メディア: 文庫
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1988年の出版ということは、おそらく学生の頃に読んだのか?
この本では、その頃に作家、批評家が中心に行った反核キャンペーンを挑発している。
(そういえば、その頃の「朝まで生テレビ」でも、そんな流れのサヨク系(あえてカタカナ)文化人とやらが、大島渚や舛添要一や栗本慎一郎とやりあっていたっけ)
吉本隆明は、こういった著作できっちりおちょくりながら、それとは別に、自らの批評の分野も広げていたのだと思った。
つまり、この本では、小説や現代詩や古典を語るのと同じ言葉で、CMについて語り、RCサクセションを語り、マンガを語っている。
そしてそういった批評の焦点は、サヨク系文化人が声高に語る核による社会の危機より、さらに深層の問題を衝いているのだ。
バブルがはじけた今となってはどうか?ということはありながらも、その鋭さは色褪せてはいない、と思うのだった。