もう手放してしまった本である。
一時期、村上龍の本は、ほとんど読んでいたのだった。
その中でも、この本は特に気に入っていた。
地球に堕ちてしまったスーパーマンの物語だったと思う。
なぜ気に入っていたのか、もう覚えていない。
周りに薦めた記憶も、プレゼントをした記憶もあるのだが、もう判らない。
作者本人によって映画化もされたが、観に行こうとは思わなかった。
今更にネットで評判を検索すると、とんでもない映画だったようだ。
小説で表現できることが、映画でも表現できる、というのは、単なる思い上がりだろうが、その質とは関係なく、ひとつの商品として流通させてしまう無防備さがあるような気がする。
そしてそれは、村上龍の小説が持つ、ある種の無防備な雰囲気と共鳴しているような気がする。
無防備だから悪いのではない。
無防備だからこそ、本質に近づいたように感じさせることや、臨場感的なものを表せているようにも思う。
だが、いつか、違う、と気づいてしまうのだ。
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1985/10
- メディア: 文庫
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そして、その映画で音楽監督をしていた加藤和彦氏の訃報を知った。合掌。