松尾芭蕉の弟子たちによる俳諧論議である。
が、俳句を語れるほど通じているわけでもないので、ふーんそうか程度の感想しか出てこないのは、教養の足りなさの表れだろう。
それでも、何とか読み通してみる。
きっかけは去来が其角へ宛てた不易/流行の論議である。
それに対する其角からの返答が無いことに、許六が反応し去来とのやり取りが始まる。
むしろ、許六による極論を、去来が諌めるといった具合だろうか。
許六の自論は、師である芭蕉の意思を十分に受け継いでいない兄弟弟子たちを腐する、といった調子であり、ではその許六自身はどうなのかと言うと、師に誉められたエピソードを引いてくるといった具合だ。
つまりは、若造の撥ねっ返りとも思えるのだけれど、全てが的外れというわけでも無さそうで、そこにこの本が残った意味があるのかもしれない。
俳諧のことは全くの素人なのだけれど、不易と流行のバランス、てにをはの適切な使い方、切れ字のバランスなど、許六が主張している発句のテクニック的なことは納得できるものだ。
- 作者: 森川許六,向井去来,横沢三郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1954/12/05
- メディア: 文庫
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