果たしてこの本が随筆なのかどうか、読み終わってからさえも疑問ではあるのだけれど、さすれば随筆とは何ぞやと疑問を呈してみたところで何ら答えを持ち合わせているわけでもなく、日常の細々とした事を徒然に書き散らすものだけが随筆とは限らないのだから、この本もまた随筆に違いあるまい、と思ってみる。
宮武外骨を知ったのは、おそらく赤瀬川原平氏の著作か、吉野孝雄氏の伝記からであろうと思う。
ともあれ、この本は宮武外骨の様々な刊行物から、テーマに沿って文章を集めたものである。
その内容は、風刺やら、江戸風俗の話やら、字義に関わるもの、一見科学的な考察やらと多岐に渡っている。
それも、オッと思わせるものもあれば、今ひとつピンと来ないものもある。
ともあれ、その自由さに毒されたようで、少し何だか軽くなった様な気がする。
年始の初笑いとしては、聊か高尚過ぎたかもしれない。
- 作者: 宮武外骨,吉野孝雄
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1996/01
- メディア: 文庫
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