雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

日日是好日/森下典子


予期しないからこそかもしれない

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)


新潮社の「マイブック2009」を調べていた時にふと見つけた。
本との出会いとは不思議だが、こういったきっかけでなじみの無い世界の本に出会うことがある。
茶道とは何か?
そんな疑問について、そこに入った者からのひとつの回答が此処にある。
茶道の大家が、自らの理論を披露するというのではなく、そこに入っていったものが、茶道の稽古を通じてその道の意味を知る、そんな本だと思った。
茶を以って客をもてなすこと、一言で云うならばそれだけのことではあるが、そこに含まれる膨大な知識と知恵、そしてそれを生きてゆくこと、そんな風に云えるかもしれない。
一つ一つの所作を研ぎ澄ましてゆき、そこに自分の捕らえている世界観を込めてゆく、だがそれは人為的なものであってはならない、そんなことがこの本の背後にあるように思う。
自分で茶道に入るのも良いかもしれない、と思わせる。
予期しないからこそ、この本を面白いと思えたのかもしれない。