雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

人間を守る読書/四方田犬彦

本について書かれた本について書くのは、どういうことか。
本について書くのは、どの本を選ぶか、その本をどのように書くのか、ということであり、本について書かれた本について書くのは、その術を知る、または再認識することなのではないだろうかと思っている。
だが、何かについて書くということは、本に限ったことではないのに、本について書かれると何か例外のように思ってしまうのは、読み手の勝手な都合ではないだろうか。
この本に取り上げられているのは、読んだことのある本もあれば、読んだことの無い本もある。
読んだことの無い本を読みたいと思うかどうかもまた、読み手の勝手な都合だろう。
書くことも選択することであり、読むことも選択することだ。(松岡正剛氏であれば、「編集術」というところだろうか)
だから、この本を読んで思うのは、選択の技術についての相違なのだ。
読んだことのある本については、それを評価するためにどの部分を取り上げているのか、その技術が自分とはどのように異なっているのかを知る事となる。
読んだことの無い本については、それを選択したのはどのポイントなのか、それが自分の評価基準とどのように異なっているのかを知ることだ。
ともあれ、世界は広く、読むべき本はまだ未読なのだと言える。


人間を守る読書 (文春新書)

人間を守る読書 (文春新書)