確か高校生の頃に読んだはずだ。
改めて読んでみると、自意識の塊のような文章がとても息苦しい。
特に事件や展開があるわけでもなく、思い出や吐露がただ連なってゆく。
そして、死の影や心霊現象まで登場する。
何故この本を読み通せたのか、あの頃の自分に聞いてみたい。
時間を持て余し、自意識過剰だった十代だったことの証明に他ならないのではないか。
出来ることならあの頃の自分を捕まえて、もっと有意義に時間を使って、もっと色んな人達と交流すべきだと説教してやりたい。
もっとも、この本を読み耽っているような頭でっかちな糞生意気な若造は、そんな言葉を聞くはずもない、ということは判りきっているのだけれど。
それでも読み通してみる。
時折、うならせるような言葉にも出会う。
だが恐らく、もう読み返すことはないだろう。
誰かに薦めるだろうか。
それも無いだろう。

- 作者: リルケ,大山定一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1953/06/12
- メディア: 文庫
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