雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

マルテの手記/ライナー・マリア・リルケ

確か高校生の頃に読んだはずだ。
改めて読んでみると、自意識の塊のような文章がとても息苦しい。
特に事件や展開があるわけでもなく、思い出や吐露がただ連なってゆく。
そして、死の影や心霊現象まで登場する。
何故この本を読み通せたのか、あの頃の自分に聞いてみたい。
時間を持て余し、自意識過剰だった十代だったことの証明に他ならないのではないか。
出来ることならあの頃の自分を捕まえて、もっと有意義に時間を使って、もっと色んな人達と交流すべきだと説教してやりたい。
もっとも、この本を読み耽っているような頭でっかちな糞生意気な若造は、そんな言葉を聞くはずもない、ということは判りきっているのだけれど。
それでも読み通してみる。
時折、うならせるような言葉にも出会う。
だが恐らく、もう読み返すことはないだろう。
誰かに薦めるだろうか。
それも無いだろう。

マルテの手記 (新潮文庫)

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