どこでお勧めされたか覚えていない。
著者の與那覇潤氏についても良く知らないが、なるほどなと思うところの多い本ではあった。
コロナ禍に見舞われた日本社会を観察している。
社会学だろうか、評論家風な言説だと思っていたら、本人が評論家としての最初の本だと終盤で書いていた。
外出自粛、ワクチン接種にまつわる怪しさを指摘している。
科学的であることと、倫理的であることは、必ずしも同一ではない、ということ。
そしてその科学的であることの根拠の曖昧さのままに、無理矢理正しさに持ち込む気持ち悪さを指摘していると思う。
他にもいくつか指摘はあるのだけれど、なんとは無しに、キャッチコピーのように上手いこと言うねとは思うけれど、ちょっと上滑りしている感じもした。
たぶんすぐ忘れられるのではないかという気がする。
あの頃、自粛要請が叫ばれ、多人数での会食が目の敵にされ、その方針に乗っかってマスメディアが誇張したアジテーションを撒き散らして、無批判に個人の行動を規制されただけでなく、自粛警察のような戦時下の隣組のような行動に嬉々として勤しんでいた人々は、普通の人だったということは忘れないようにしようと思う。
党派の論理でイデオロギーの主張や利権の確保のために動いたのではなく、かつて見た大衆操作にまんまとみんな乗せられていた。
そして、きっとWWⅡや東日本大震災を振り返るのと同じ手付きで、実はあの時こんな話が話が隠れていて、とか言い出すに違いない。