雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

三万年の死の教え/中沢新一

だいぶ前に買った本なのだけれど、ふと思い出して読み返す。

あれからだいぶ落ち着いて、気持ちの方の整理も着いてきたと思っている。

思っているだけで、こういう本に手が伸びてしまうのは、まだ整理が着いていない証拠かもしれない。

この本は「チベット死者の書」として知られる「バルド・トゥドゥル」についての解説本と言える。

チベット仏教の中でも、早くから西欧社会に紹介されて、60'sなどにも流行したらしく、当時生まれてなかった自分でもその名を知っている。

第1部は、NHKスペシャルのための台本がベースになっており、当時(たぶん1993年辺り)TVで観た記憶がある。

人の死の瞬間から、輪廻の中へ戻っていくまでを描き、「バルド・トゥドゥル」は解脱するための手引きとして書かれている経典である。

第2部では、この「バルド・トゥドゥル」に関する解説、第3部は背景となるチベット仏教に関する解説となっている。

なぜ、いまこの本を読み返したのか、と言うと、第1部の輪廻へに戻る過程とその日数が、仏教の法要日程と何か関係があったような気がしたので、確かめたかったからである。

それに対する明確な答えは見つけられなかった。

そもそも日本における死に関する儀式は、仏教だけでなく、神道的なものや、各地方での習俗が混交したものだから、チベット仏教にその答えがあるかも、というのは、ちょっと筋違いだったかもしれないと思った。