雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

支那論/内藤湖南

ちょっと中国について考えてみようと思った。
とは言え、メディアに垂れ流されているステレオタイプな言説には、あまり興味はない。
しかしながら、友人の中国人について何をか語りたいのでもない。
図書館で本を探してみても、なんとも不愉快なことだが、見下すか、敬して遠ざける類の本ばかりなんじゃないだろうか。
こういう場合はやはり古典を手に取る方がいいだろうと探しているうちに、この本にたどり着いた。
明治〜大正期の、中華民国に関する時評と歴史に関する文章を集めたもののようだ。
はるか昔に大学で取った中国近代史の授業を何となく思い出しつつ読んでみた。
話題の多くは辛亥革命以降の中国政治に関するものだ。
清までの王権制を振り返りつつ、中国にとっての権力のありようを考察し、今後の行方を考察している。
明治維新を遂げた日本に続いて、共和制に移行する中国に期待する、という論調であるように思った。
さすがに100年前の考察内容が、全て正しいということも無いが、なるほどと思わせる部分もある。