雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

大股びらき/ジャン・コクトー


あこがれるもの

大胯びらき (河出文庫)

大胯びらき (河出文庫)


だいぶ前に読んで以来、しばらく開いていなかった。
コクトーの世界と、自分の生活はだいぶ離れていたのだと思う。
手元にあったのは、福武文庫版だった。
改めて読んでみると、この本は青春小説であり、その年代の憧れや煩悶を捉えている。
逆に、近い年代の頃に読んでも、何が面白いのか、いまいちピンと来ていなかったような気がする。
つまり青春小説とは、青春と言われる年代に読む小説ではなく、青春と言われる季節を通り過ぎた者が、それを振り返るための小説なのだと思う。
その頃のつまらない事にこだわったり、些細なことで悩んだり、身の丈に合わない背伸びしている感じだとか、そんなことを思い起こさせる小説が出来のいい小説のような気がする。