あこがれるもの
- 作者: ジャンコクトー,Jean Cocteau,渋沢龍彦
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2003/07
- メディア: 文庫
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だいぶ前に読んで以来、しばらく開いていなかった。
コクトーの世界と、自分の生活はだいぶ離れていたのだと思う。
手元にあったのは、福武文庫版だった。
改めて読んでみると、この本は青春小説であり、その年代の憧れや煩悶を捉えている。
逆に、近い年代の頃に読んでも、何が面白いのか、いまいちピンと来ていなかったような気がする。
つまり青春小説とは、青春と言われる年代に読む小説ではなく、青春と言われる季節を通り過ぎた者が、それを振り返るための小説なのだと思う。
その頃のつまらない事にこだわったり、些細なことで悩んだり、身の丈に合わない背伸びしている感じだとか、そんなことを思い起こさせる小説が出来のいい小説のような気がする。