ちょっと気になっていたので買ってみた。
旧日本軍の作戦失敗の原因を、組織論で解説する、という本。
どっちかというと、歴史読み物というよりは、ビジネス書である。
学習する組織だとか、意思疎通だとか、そう言うのが気になる人向きかと思う。
逆に、何が言いたいのかぼやけているような気がしなくも無い。
失敗した作戦を取り上げて、そこにある原因を分析するのは間違ってはいないだろうが、成功への転回点は曖昧になっているように思った。
答えの明示、今までにない提言、といったものを欲しがるビジネス書の読者層には、この長さは耐えられないかもしれない。
かといって、出来事のディテールにこだわりたい歴史ファンにしてみると、紋切り型に近い原因分析は退屈なのではないだろうか。
私はどちらかというと、歴史ファン目線で読んだので、日本人論的な分析、組織論への展開に至るにつれて、聊か鼻白む思いがした。
- 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1991/08/01
- メディア: 文庫
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