ダークファンタジーであり、寓話である。
さらってきた女は他の人間を殺すよう指図し、生首でままごとめいた遊びをする。
下女として生き残った女は、お喋りが生き甲斐だという。
主人公の男はろくでもない人殺しだが、主人公だけが狂気に気づいている。
だが、狂気を避けることはできず、満開の桜の下でさらってきた女を殺してしまう。
人は虚無という深淵をのぞき込んだら正気ではいられない。
だが、その狂気の姿こそが人間らしい、と坂口安吾は言っているようだ。
- 作者: 坂口安吾
- 発売日: 2012/09/13
- メディア: Kindle版
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