雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

レクイエム/アントニオ・タブッキ


追憶と鎮魂

レクイエム

レクイエム

タブッキはイタリア人だが、この本の舞台はリスボンで、もともとポルトガル語で書かれている。
主人公がリスボンである詩人との約束までの間に、様々な追憶の中の人に会う、と要約してしまうと、全くつまらない。
そこで展開されるエピソードと、追憶の悲哀がこの物語の基調であるように思う。
タブッキの洒落っ気で、最後に登場するポルトガル料理の解説がついている。
が、どれも食べたことがない。美味しいのだろうか?
母国語以外の言語で書くことで、この本のトーンが変わっているような気がする。
シオランのフランス語での著作とルーマニア語での著作に明らかな違いがあるように・・・)
ポルトガルとはどんな国なのだろうか?


新書にもなっている。

レクイエム (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

レクイエム (白水Uブックス―海外小説の誘惑)