追憶と鎮魂
タブッキはイタリア人だが、この本の舞台はリスボンで、もともとポルトガル語で書かれている。
主人公がリスボンである詩人との約束までの間に、様々な追憶の中の人に会う、と要約してしまうと、全くつまらない。
そこで展開されるエピソードと、追憶の悲哀がこの物語の基調であるように思う。
タブッキの洒落っ気で、最後に登場するポルトガル料理の解説がついている。
が、どれも食べたことがない。美味しいのだろうか?
母国語以外の言語で書くことで、この本のトーンが変わっているような気がする。
(シオランのフランス語での著作とルーマニア語での著作に明らかな違いがあるように・・・)
ポルトガルとはどんな国なのだろうか?
新書にもなっている。

