引き続き、西村賢太氏を読んでみる。 江戸川区の出身で、たぶん歳は少し上、バブルや東京の西とは距離のある感じで、なんとなく近しい感じがする作家が、どんな東京を見ていたのか気になった。 取り上げられている町、語られる言葉、どちらも私小説作家らし…
初めて読んだ。 名前は知っていてもなかなか手が伸びなかったのは、私小説だからに他ならない。 私小説というサブジャンルは昔から何となく遠ざけていた。 内面の吐露という、作者のはらわたを見せられているような文章は、つい好きか嫌いかで判断してしまっ…
以前読んだことがある気がしていたのだけれど、実は初見かもしれない。 ねじめ正一氏を知ったのは、10代の頃だと思う。 当時は現代詩を読み漁っていたので、自然と辿り着いたと思う。 とはいえ、詩と小説は全く異なっている。 記憶の中の印象ではあるが、句…
何となく図書館で手に取ってみた。 橋本治氏からの太宰治氏、という訳でもない。 そんな駄洒落で読む本を選んでいたとしたら、それはそれでちょっと自分を見直したい。 恐らく生涯で読む太宰治の5冊目ぐらいの感じだと思う。 あまり好きではないどころか、…
この本もまた図書館で借りた。 タイトルが全て「かな」っていうのも人を食った付け方だと思うが、やはり現代史の総括&ノスタルジーが続いていて、痛々しくなってくる。 そんな中でも見るべきところがあるとしたら闘病や老いに関するところだろうと思った。 …
橋本治氏が残した言葉にどう思っているのかを検証する。 正直なところ、この本は9割退屈だった。 現実世界や歴史に対して、実はこうなんです、要するにこうなんです、といった言説は、ただの言い換えに過ぎないし、出オチの浅薄さにも似ている。 今さらに西…
何となく借りてみた。 9.11に関する23人の意見を編んだ本。 どういう基準で選ばれているのか分からないが、たった23人でさえ異なる意見があるのだから、恐らく数限りない意見があるに違いない。 様々な立場があって、様々な見方があると思うのだが、意見を述…
ふとした瞬間に、橋本治氏のことを思い出したので、図書館で借りてみた。 10代から20代前半までの頃に読んだが、それ以降は全く手に取らなかったので、およそ30年ぶりだろうか。 現在はどんな活動をしているのかと思ったら、2019年に逝去されていた。 今更だ…
気になったので、図書館で借りてみた。 ジョークとは何だろうか、ということを考えていて、アメリカンジョークが有名だけれど、ロシアンジョークはあるのかと思ったら、そんな本があった。 要するに、それぞれの歴史や慣習、有名人をネタにするのが、○○人ジ…
とても面白かった。 1970年の大阪万博を起点に、1945年の広島爆心地、そして幻の皇紀2600年万博に言及し、美意識の根底にある「未来」という幻想、そして「環境」という考え、万博と戦争をつなぐ様々な要素を巡っている。 この本を要約するのは難しい。 登場…
永井荷風作と伝えられる「四畳半襖の下張」が含まれているので買ってみた。 さすが永井荷風という文章だが、荷風調を真似してる感も否めない。 その他、室生犀星や、森鴎外や、どうしてこれが?という作品もある。 個人的には、「四畳半襖の下張」が読めただ…
一言で言うなら、ふざけた本である。 酒呑みによる、酒呑み中心の論理で書かれたエッセイだ。 たぶん、酒を呑まない人からしたら、屁理屈、こじつけ、言いがかりに見えるかもしれないが、酒を嗜む身からしたら至極真っ当な話ばかりである。 当然、酒を嗜むの…
ふらっと入ったブッ〇オフで買った。 ある日突然、宇宙のハイウェイ建設のため、地球が消滅して、から始まるドタバタコメディ、スラップスティックなSF。 くだらない部分も多く面白い。 解説にもあったが、笑いのツボが日本とは異なる、というのは思った。 …
ふらっと寄ったブッ〇オフで購入。 キヨシローが亡くなったのは2009年だが、当時はほとんど聴いたりはしていなかった。 RCサクセションを知ったのは、小学生の頃にタモリのラジオで聴いた「トランジスターラジオ」だったと記憶している。 この本は、キヨシロ…
気になったので図書館で借りてみた。 コーヒーの歴史から、江戸時代の長崎におけるコーヒーの伝播、そして近代のカフェまで網羅的に言及している本である。 長崎まで行き文献に当たったり、訪日外国人のコーヒーに関する記述、海外漂流者のコーヒーに関する…
気になったので図書館で借りてみた。 クオリアというのは質感のようなもの、赤い花の赤らしさ、電車のガタンゴトンという音のらしさ、そういったものを表す言葉である。 それが揺るぎないそれであるというらしさ、否定しがたいリアリティのようなもの、とい…
何となく気になっていた本を元旦に注文した。 それが1月2日に届いてしまい、ちょっと吃驚したのだが。 細野晴臣氏の文章は、おっと思うことも、ちょっと怪しいなぁ、と思うことも同じレベルに書かれていて、冷静に読んでしまう。 例えて言うなら、今の精神状…
実はまだ読み終わっていない。 古代ギリシアの哲学者、と解説されているけれど、ローマ帝国で活動している。 古代ギリシアと古代ローマの関係が良く分かっていないかもしれない。 近代のモラリズムの源流を遡ってストア派に繋がり、エピクテトスに辿り着いた…
気になったので買ってみた。 ミュージシャンであり、Youtuberのみの氏による、20世紀ポップスの概論とでもいう本。 LeadbellyやThe Byrdsが取り上げられていたり、同時期の邦楽の動きがコラムとして挟み込まれていたり、90年代以降のグランジや、音楽フォー…
何となく読みたくなって、古本で購入。 ルネサンス以降、近代の哲学を見直す必要がある気がしている。 おそらく、ポストモダニズム的な思考を抜けて、前近代的な位置に戻るのか、ハイパーモダニズム的な位置にまで突き進むのかと考えると、もう一度、ヒュー…
おすすめしている人がいて、ちょっと興味を引いたので、図書館で借りてみた。 終戦後、ソ連軍に捕捉され、シベリアに抑留された日本人が60万人もいた。 その事実を、歴史上の出来事としてではなく、こういったノンフィクションとして読むのは、かなりしんど…
読もうと思ってる本のリストにあったので図書館で借りてみた。 自然に対する感覚、耳を澄ますこと、足元を見ること、風を感じること、空を見上げること、そういったものに対するエッセイのようなもの。 短い文章だが、何となく心に残る。 センス・オブ・ワン…
気になったので借りてみた。 白土三平氏の「カムイ伝」を基に、江戸時代の人々の姿を描き出している。 特に農民、穢多、非人といった人々、そして戦いを行わなくなった武士、といったフォーカスの当て方が面白い。 そして、更には江戸時代の人々の価値観の推…
マインドフルネスについて、元グーグルのエンジニアであるチャディー・メン・タン氏が解説している本である。 ジョークが読みにくいとかいう評判も目にしたが、そんなことも無く、何とか読み終えた。 300pあるとなかなかのボリュームに感じる。 マインドフル…
幻島図鑑を借りる際に、こちらも気になったので合わせて借りた。 こちらが、先に出た本のようだ。 無人島だけでなく存在しない島、行きたくても行けない島、なども含まれている。 日本は島国だというけれど、島であることを意識することは少ない。 何となく…
本屋で見かけて買おうかどうしようか迷っていたけれど、図書館にあったので借りてみた。 日本の無人島の紹介と探訪記といったエッセイである。 また、島の写真も美しい。 無人島になってしまう経緯、島民の思い、というところに焦点を当てているのが面白い。…
マインドフルネスを探っている。 若干、面白いのだけれど、どうしても読み通せない。 表現が回りくどいのか。 期間延長したけれど、半分ほど読んで返却してしまった。 なぜ今、仏教なのか 瞑想・マインドフルネス・悟りの科学 (ハヤカワ文庫NF) 作者:ロバー…
細野晴臣のDaisy Holiday!にゲスト出演されていたので知った。 はっぴいえんど、細野晴臣、村上春樹、そういったものに触れながら揺れ動く心を描いてるエッセイとフィクションの間のような漫画。 たぶん10代の頃に読んだらベストに挙げていたかもしれない。 …
どんなものかと借りてみた。 最近の健康ですら企業業績のパラメータとして取り込もうとしている流れからすると、 おそらく近いうちに日本の企業も飛びついて導入するのだろうと思った。 それは誤った使い方なのだけれど、マネジメントに対する特効薬のように…
確かラジオで紹介していたのを聴いて、図書館で借りてみた。 自己認識、マインドフルネス、そういったキーワードの本だと思う。 参考になる部分もあれば、そうでもない部分もあり、いったん内容は留保する。 病んで辞めてしまった後輩が、マインドフルネスを…