的な虚構の世界
実は短歌のことは良く判らない。
同じ定型詩でも、俳句は何となく伝わる。
俳句よりルールが緩い分だけ判りにくいのかもしれない。
この本は寺山修司の、ほぼ全歌集であるらしい。
そしてその完成度の高さに驚く。
短歌でしか為し得ない表現と寺山修司ならではの世界観が固く結びついている。
母であり、亡き父であり、亜米利加であり、少年であり、故郷であり
寺山修司的なキーワード、そしてそこから形作られる寺山修司的な虚構の世界、それがこの本においてはどこを開いても溢れ出てくる。
そしてそれに引き込まれてゆく。