雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

雀の手帖/幸田文

久しぶりに読み返してみた。 以前読んだ時も思ったけれど、幸田文の文章は昔の東京のしゃべり言葉に近い感じがする。 親の世代というより、祖父母の世代の言葉のようだ。 中盤で後の平成天皇のご成婚の話題が出てくるので、1959年に初出の文章なのだと分かる…

日日是好日/森下典子

久しぶりに読み返してみる。 茶道に関するエッセイである。 他に読んだことが無いので何ともわからないが、茶道とは何かという事ではなくて、茶道で得たものは何かという本なので、評判が良いのだろうと思った。 つまりユーザー目線であるということだ。 そ…

花嫁化鳥/寺山修司

ふとこの本のことを思い出して本棚から取り出した。 寺山修司の書いた紀行文である。 副題に「日本呪術紀行」とあるのは、サービスのような気がする。 日本の奇習、伝承を訪ね紹介する、という態を取りながら、その背後にある人々の姿を浮かび上がらせようと…

俺 勝新太郎/勝新太郎

勝新の自伝である。 例のパンツ事件の話から始まり、子供の頃から映画の話、中村珠緒との馴れ初めやTVの話など、勝新の半生が語られる。 たぶんこの本の数百倍のエピソードがあるのだろうけれど、その一端を覗くことができる本である。 難しい話など要らない…

働く人のためのアドラー心理学/岩井俊憲

電子書籍で買った。 何だかひどく疲れているので、こういった本に眼が行ってしまう。 疲れる原因というのは分かっていて、単純なものではないし、回避すれば良いという類のものでもないので、それらとどう付き合っていくのかという方法を探さねばならない。 …

サードプレイス/レイ・オールデンバーグ

家庭と勤務先に次ぐ場所をサードプレイスと言う。 そのサードプレイスについて、各国の分析、考察をしている。 社会学的分析だと思うが、分析というよりは観察じゃないかと思った。 そして話がアメリカ中心なのも気になる。 サードプレイス――コミュニティの…

ソクラテスのカフェ2/マルク・ソーテ

実はこの本は三部作だったのだ。 第1部がパリのカフェでの哲学論議の話で、第2部、第3部がこの本である。 哲学史の読み解きが第2部、そして古代ギリシア都市国家の衰退原因の分析とニーチェから現代の読み解きが第3部である。 実は哲学カフェの話はおまけな…

ソクラテスのカフェ/マルク・ソーテ

この本もまた図書館で借りた。 何年か前に読んだ事がある気がする。 パリのカフェでの哲学論議を仕掛けていた哲学者らしい。 たぶん同じような事をやろうとしてた動きがあって、その頃に読んだような気がする。 アカデミックな場所から哲学を解き放って、人…

人は、なぜ他人を許せないのか?/中野信子

この本もまた図書館で借りた。 順番待ちが50人以上で、予約してから半年近くかかったんじゃないだろうか。 脳科学者による正義中毒についての考察である。 面白いのは発生原因が脳内物質によるものなのに、対応策はそうじゃないという点である。 すべての現…

一〇一年目の孤独/高橋源一郎

高橋源一郎を知ったのは、高校生の頃。 「さようなら、ギャングたち」と、あと何冊かを読んだ記憶がある。 80'sの頃は、こういう小説が新しくて、なんだかすごいと思っていたのだ。 10代から20代の頃の価値判断なんてそんなもので、浅はかな知識と思考で選択…

モンテーニュ 人生を旅するための7章/宮下志朗

最近、モンテーニュ、エラスムス、パスカルといった、西欧近代初頭の思想家が気になる。 中世から近代への転換は、神の視点から人間の視点という変更があったのではないか、と推測している。 だが一括りにそう言ってみたところで、何も考えたり言ったことに…

織田作之助全集

断続的に読み続けていたので、半年ぐらい掛かったろうか。 織田作之助の名前は知っていてもほとんど読んでいなかった。 青空文庫で何篇かつまみ読みしてみたら、案外面白かったので、全集を手に入れてみた。 青空文庫で無料公開しているものが、纏まると有料…

ジョン・ハンケ 世界をめぐる冒険/ジョン・ハンケ

この本も図書館で借りた。 現NianticのCEOで、かつてはGoogle Earthの中心人物であったジョン・ハンケ氏の自伝、というか思い出話。 Field TripやIngressに対する氏の思いが溢れている。 たぶん彼の仕事に興味の無い人には何も響かないだろうか。 ジョン・ハ…

横浜駅SF/柞刈湯葉

ようやくオリジナルが読めた。 というのも、図書館の順番待ちのせいだが、仕方がない。 嫌なら買って読めという話にすぎない。 横浜駅という生命体が本州を覆い尽くした未来を舞台にした冒険小説、とでも纏めようか。 スラスラと読めたのだが些か平坦な気も…

ゆるみ力/阪本啓一

何となく気になって古本で買って読み返してみたのだけれど、ちょっと違ったようだった。 ゆるみ力 日経プレミアシリーズ 作者:阪本 啓一 発売日: 2008/06/01 メディア: 単行本 【中古】 ゆるみ力 / 阪本 啓一 / 日本経済新聞出版 [単行本]【メール便送料無料…

房総の捕鯨/金成英雄

この本も市川の古本屋で購入。 房総半島における捕鯨の歴史をざっとまとめている本。 元新聞記者の方らしく、文章は読ませる。 漁民が紀州からやってきて千葉に住み着いたという説は広まっているが、そうでは無いという意見もあるらしいことがこの本には登場…

江戸川物語/伊藤晃

市川の古本屋で購入。 流山の作家の方らしい。 自筆のサインと蔵書印が押してあった。 江戸川の名前の由来から始まり、著者の思い出話に遡る。 見たこともないのに、懐かしい感じがするのは何故だろうか。 海を見に、江戸川の土手沿いに下っていく話など、川…

横浜駅SF全国版/柞刈湯葉

この本もまた図書館で借りた。 前から気になっていた小説。 Twitterで発表されたらしいときいて、あまり積極的に読もうとは思っていなかった。 なのでとりあえず読んでみるかと借りた。 そして読んでからわかったのだが、これは2巻目だった。 自己増殖を続け…

ブラックマーケティング/中野信子、鳥山正博

この本も図書館で借りた。 中野信子氏をどこで知ったのかもう定かではないが、氏の本が読みたくて借りてみた。 脳科学者として氏の活動をどこかで見かけたのかもしれない。 鳥山正博氏は経営学者とのこと。 脳科学と経営学という組み合わせでマーケティング…

この人を見よ/フリードリッヒ・ニーチェ

久しぶりに読み返す。 確か正気だった頃のニーチェの最後の本だったかと。 持っているのは岩波文庫版と新潮文庫版。 プラトンの理想主義に対する明確な否定があった。 たぶん同じ頃に読んでいたのだが、どう思っていたんだろうか。 むしろ理想主義的な方に流…

ソクラテスの弁明/プラトン

持っているのは、新潮文庫版と角川文庫版。 読み返したのは田中美知太郎訳の新潮文庫。 ボールペンで傍線が引かれていて、今更ながらに、古本で買っていた事に気づいた。 たぶん高校生の頃に買ったのだろう。 ソクラテスが何を弁明し、何を主張したのか。 こ…

プロタゴラス/プラトン

プラトンの著作の中でも、これは面白いのではないだろうか。 高名なソフィスト・プロタゴラスがアテナイを訪れているというので、ソクラテスが会いにいく。 そもそもソフィストとは何を教えるのか、というのが対話のスタートである。 ソフィストは弁論術を教…

インド夜想曲/アントニオ・タブッキ

もう何度目になるか、また読んでみる。 同じ本を何度も読むのは、新しい発見の体験ではない。 だが、居心地の良い場所に籠もる事でもない。 ストーリーに身を委ねながら、ディテールを味わう。 物語のメッセージを噛み締め本を閉じる。 インド夜想曲 (白水U…

栗本慎一郎最終講義/栗本慎一郎

個人的にちょっとした栗本慎一郎の再評価の波が来ている。 最新刊である「全世界史」のコンパクトな解説であり、おまけであるような感じがする。 もちろんそれがこの本の評価を下げているわけではない。 栗本氏の著作の良き読者を僭称するつもりもないが、各…

脳・心・言葉/栗本慎一郎、澤口俊之、養老孟司、立川健二

この本もまた図書館で借りた。 というか、もう絶版になっているようだ。 「栗本慎一郎「自由大学」講義録5 なぜ、私たちは人間なのか」 こちらは副題だろうか。 タイトルの通り、脳科学と心と言葉と人間存在、というテーマで語られる。 「エラノス会議」の…

アンソロジー カレーライス!!大盛り/杉田淳子 編

この本もまた図書館で借りた。 カレーライスに関する文章を44篇集めた本。 家庭のカレーが一番だという意見は容易く想像がつくが、案外、本場のカレーも人気がある。 軽くサラッと読めるが、時折、クスっとしたり考えさせられるのもある。 アンソロジー カレ…

日本いまだ近代国家に非ず/小室直樹

この本もまた図書館で借りた。 元の書名は「田中角栄の遺言」だそうである。 実は小室直樹を読むのはこれが初めてである。 市井の学者と言われるのもなるほど頷ける。 非常に論理的であり、正面切った正論を紡ぐ論客であると思った。 日本が近代国家になりき…

田中角栄100の言葉

この本もまた図書館で借りた。 今更ながらに田中角栄に興味が湧いたので読んでみる。 子供の頃、田中角栄、大平正芳、福田赳夫はものまね番組の定番だったな。 あの頃は田中角栄が何をした人かは知らなかったが、改めて読むとまともな事を言っていたことに気…

カンバセイション・ピース/保坂和志

久しぶりに再読した。 持っているのは新潮文庫版。 とめどないおしゃべりと猫と横浜ベイスターズの小説である、と纏めてみる。 新しくも古くもないが、90年代の雰囲気が滲み出てしまっているが、それもまた背景に過ぎない。 何も起きない、いつまでも続きそ…

両手いっぱいの言葉/寺山修司

寺山修司作品から抜き出した名言集、とでも言う本。 そもそも寺山修司が好きでは無かったら、たぶん響かないんだろうなとは思う。 色んな作品の断片がテーマ別に再分類されている。 なるほどというものもあれば、そうかな、と思うのもある、 少年少女向けの…