2010-01-01から1年間の記事一覧
良く知られている都市伝説に、「達磨」というのがある。 様々なヴァリエーションがあるが、こんな骨子である。 ・何人かで旅行に行く ・その中の一人が現地で洋服店の試着室に入る ・残されたメンバーがいくら待っても、その一人は帰ってこない ・店員に聞く…
この本もまた図書館で借りた本である。 実は池波正太郎の本を読むのはこれが初めてだ。 今まで何人かの友人が薦めてくれたり、テレビで「鬼平犯科帳」を観た事もあるのだが、正直なところ、時代小説に食指(読指というべきか?)は動かなかった。 では何故、…
恐い話とは一体なんだろうかと考えると、それは恐くなくなってしまうようだ。 最近ちょっと一般化した「都市伝説」も恐い話の系列に加えても良いとは思うが、そこには恐さよりも意外性やナンセンスが強調されているように思う。 では、昔からある「怪談」は…
例えばあなたが、何か読んだことも無いような本を探して、本屋を彷徨っているとする。 新刊やベストセラーが読みたい、という気分ではない。 何となく背表紙を拾い読みしている。 海外文学でも、英米独仏の辺りは、何となく聞いたことがある作家ばかりだ。(…
この本もまた、図書館で借りた本である。 ルネッサンス期の思想家であるカンパネッラの描く国家、社会の理想像と言えよう。 ユートピアを描いた本としても有名である。 だが、ユートピアほど息苦しいものは無い。 誰かの考えたあるひとつの形に対して、人も…
この本もまた図書館で借りた本である。 というのは、「ガリヴァ旅行記」の面白さが判らなくて、誰かに解説してもらいたいと思い読んでみた。 が、オリジナルの抜粋、または紹介といった感じである。 やはり時代背景、スウィフトの人となりを前提とした面白さ…
この本もまた図書館で借りた本である。 室町時代の足利義満による王権簒奪計画を実証してゆく。 あくまで政治学として、分析しようとしているようだ。 そして、本当の射程は天皇制にあるようだ。 今ひとつ、著者の主張を消化しきれていない。 政治的権力を裏…
この対話篇ではソクラテスが、当代随一のソフィストと言われるプロタゴラスを訪ね、人間の徳性は教えることが出来る、という主張に異議を唱える。 正直なところ、途中何度か、読むのをやめようかと思った。 プロタゴラスの主張に対して、明らかにソクラテス…
この本もまた図書館で借りた本である。 子供でも知っている「ガリバー旅行記」なのだが、改めて読んでみると、これが何とも言い難い。 まずこの物語は、作者であるジョナサン・スウィフトの生きていた18世紀のイギリス(アイルランド?)社会を諷刺している…
この本もまた図書館で借りた本である。 一時期、本気で平屋が欲しかった。 当然ながら都内には無理なので、郊外に住む必要があるが、その頃は都心の近くに住み、暇があれば都内を徘徊したいと思っていたので、いまひとつ踏み切れなかった。 郊外の平屋で暮ら…
何とも奇妙なタイトルだと思うが、読んでいくうちに著者の言いたかったことは見えてくる。 だが、それは哀しい過去である。 しかもその過去は失われており、断片が残るに過ぎない。 それらの断片を探し求め、繋ぎ合わせていくために、旅をする。 もうひとつ…
学生の頃によく行った神保町のとある古本屋では、小さい店ながら膝ぐらいの高さから天井までの本棚があり、その中でもエリアーデの宗教学の著作集は最上段の棚に鎮座していた。 その迫力に圧倒されてそのまま手が出ないで、未だに読めていないのだが、一方で…
金子光晴のエッセイである。 明治以来の日本人の精神を告発するエッセイとでも言おうか。 明治はヒゲの時代であり、大正は見せかけの自由が関東大震災で剥がれ、昭和の敗戦前は人の心の弱みに付け込んだ姿が、そして敗戦後はそれらがなかったかのように立ち…
今も交通事故で療養中の岡崎京子の代表作(と思っているし、そういう評価も多いようだ)を、今更ながらに読み返してみる。 この「リバーズ・エッジ」が描かれたのは、1993〜1994年である。 舞台は大きな川の河口に近い町であり、主人公たちは高校生だ。 (こ…
リチャード・ブローティガンという詩人は、日本でもそれなりに知られていて、わりと翻訳もされている。(その割にはあまり本屋では見かけないのだが) ビート・ジェネレーションとヒッピー文化の間ぐらいに、人気があったようだがリアルタイムでは知らなかっ…
芥川龍之介を読むのは、かなり久しぶりだ。 高校生か大学生の頃、以来だろうか。 この「羅生門・鼻」は、所謂、王朝ものの短編を集めている。 国語の教科書に載るくらいなのだから、内容について今更あれこれ書くつもりは無い。 改めて読んでみると、そのス…
この本もまた図書館で借りた本である。 ブルース・チャトウィンは何年か前の「Switch」の特集で知った。 サザビーズの鑑定人を経て、旅にとり憑かれたイギリス人作家、というより、むしろ旅に生きた人のようだ。 この本は、そんなチャトウィンの短いエッセイ…
この本もまた図書館で借りた本である。 この本を知ったのは、松岡正剛の千夜千冊の第1325夜である。 それまで精神科医である岩井寛という名も、「森田療法」のことも知らなかった。(むしろ、興味が無かったと言うべきかもしれない) その話はさておき。 久…
この本も図書館で借りた。 組織ではない「チーム」というものをどう作り上げていくか、つまり「チーム・ビルディング」はどういうものか、という命題に対して、様々なテクニックを論じている。 著者は従来のチーム・ビルディングに関する参考書や研修といっ…
この本も図書館で借りた。 「空気」といっても、窒素78%、酸素20%、その他2%の「大気」のことではない。 意思決定のプロセスにおいて、合理的な論拠がある主張よりも、非合理な結論を導き出してしまうことがある。 それはその場の「空気」がさせたのだ、とい…
杉浦日向子が雑誌に掲載していた全国各地の銭湯を巡るエッセイ。 とは言え、ただ銭湯を紹介するのではなく、そこを利用する人々、ひいてはその町を観察している。 その上、江戸弁的な言葉を駆使して、駄洒落や脇道に逸れたりと、決して読みやすいものではな…
このところ「良い文章」というのに触れていない気がして、内田百間(本当は門構えに月)の随筆集を引っ張り出す。 題材は日常のことや、悪口や、飛行機、借金など様々だが、その語り口がやはり良いのだと思う。 例えば、飛行機に乗るときに高所恐怖症は、離…
せっかくだからと池澤夏樹をもう一冊。 これは短編集である。 改めて読んでみると、なかなか面白かった。 これらの短編に通底しているのは、失われたものへの回想であり、そして、外部へと誘う力のようなものを暗示させる。 失われたものたちは、残されたも…
何となく、小説が読みたくなって、本棚を漁っていたら、池澤夏樹の「真昼のプリニウス」が眼についた。 持っているのは単行本だ。 あの頃は、池澤夏樹の新刊が出るたびに、買っていたような気がする。 主人公の女性の火山学者、そして物語の結末については覚…
この本もまた図書館で借りた本である。 「プロジェクト」と言うとかなり広範囲だが、主にシステム開発における「プロジェクト」における「あるある」を86のキーワードで集めた本、と言い切ってみよう。 86という数はいったい多いのか少ないのか良くわからな…
これも図書館で借りた。 1に引き続き、2である。 取り上げられるのは、アマゾンの奥地の人々である。 そして、レヴィ=ストロースは思い出を語る。 ここに描かれる人々はもういないだろう。 ひとつの文化が失われ行く姿を描いているのだ。 そして文化とい…
この本もまた図書館で借りた本である。 レヴィ=ストロースと言えば、構造主義文化人類学と言われる。 確か講談社学術文庫版を持っていたような気がするが、見当たらない。(手放してしまったのかもしれない) 今更ながらに読んでみると、冒頭から 「私は旅…
これもまた図書館で借りた本。 この本では、アートをビジネスとして成立させるためにどうしたのか、ということを村上隆、自らが語っている。 極論で纏めると、売れないアートはアートではなく、ただの趣味であり、アートで生きてゆくためには、売れるため戦…
この本もまた図書館で借りた本。 「ゆるみ」とは怠惰に気の向くまま振舞うことを意味するのではなく、何か不測の事態に対して、自然体で受け止めて前向きに意識を向けようということのようだ。 いわば、ポジティブシンキングの薦めのような本と思えばいいか…
これももう手放してしまった本である。 80年代のニューアカブームも過ぎ去った頃に、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」をネタに、浅田彰の対談を集めた本だったと思う。 でどうだったかというと、世界中が資本主義に覆われるという立場にも与せず、以…